保育園の家具と介護施設のオーダー家具の共通点

先日既存の保育園の下駄箱の作り替えのご依頼で外注先に製作をしていただいた際の記事を家具職人ブログの方に記載しました。

介護施設や高齢者向けの家具デザインはわかりやすさが大事

私は保育園や学校、病院の家具から個人宅のオーダー家具まで様々なご要望に対応して製作をしてきましたが、その中で、手伝い先の木工所でも介護施設の家具製作の需要が伸びているように思います。

製作していて思うのが、母親の介護をしている経験上、高齢者向けの家具は保育園の家具同様、丸みを帯びてケガをしにくい仕様はもちろんのこと、複雑ではなく目で見てわかりやすい収納が大事だと思います。

以前、取っ手無しの下足入れを製作した時に、当然何かしらの意図があるとは思うのですが、吊元が共通しておらず、1列目は右吊元、2列目は左吊元、といったように扉の開閉方向が列によって違い、取っ手もないので

  • どちらから開ければいいかわからなくなる
  • 教えてもらっても忘れる
  • 毎回間違える
  • 無理にこじ開けて壊してしまう

などといったストレスがかかるのではないかと。若いときは使い方はすぐに覚え記憶して間違えないようにすることが当たり前にできますが、高齢者になると本当に忘れてしまって毎回穴痔繰り返しをしてしまうことって本当によくあることを想像する必要があります。(設計士さんが考えて承認を得ているものなので図面通りに仕上げましたが…)

ですので毎回福祉住環境を考慮した扉の作り方で記載しますが、どちらから開けるかわかるシールなどを貼っておくと丁寧です。見た目を気にして嫌に思う人もいるかもしれませんが、利用者さんのことを考えるとはがせるタイプの印をつけるだけで優しい家具になります。

履き間違えを想像する

また不特定多数の方が利用するデイサービスや通所リハビリテーションなどで靴を履き替える必要があり、置き場所が決まっていないオープンの下足入れの場合もネームプレートに番号を振って少しの手間がかかりますが、スタッフさんが入り口で番号を控えておくだけでも履き間違いや紛失を軽減することができますし、帰りの際にスムーズに送迎の準備に入れますよね。

ちなみに、母はデイケアのお風呂で他の利用者さんがバスタオル(もちろん名前は書いています)をスタッフの入れ間違えか利用者さんが間違えて持ち帰ってしまうということも数回あったことから、一般的に、下足入れも名前を書いていても定位置が決まっていても履き間違えが起こりえることかもしれないと想像しています。その時、今ある現状からどう工夫して対策すればよいのか?介護士さんにもリサーチしてみます。