前回の高齢者・介護用椅子の選び方の注意点と高さ調整 に続き、今回は食事や作業をする際の介護テーブルの選び方の注意点について記載します。(介護ベッド用テーブルは除く)
介護用テーブルの選び方の注意点
高齢の介護者が使用するテーブル高さは人間工学でいう一般的なテーブルの高さより若干低めの55㎝~65㎝(使用する人のおへそのあたり)が目安になっています。
ですので在宅介護で同居の場合、既存の家族用テーブルをそのまま使用する場合には身長や体型によっては高すぎて使いづらいことも在るので、家族で一緒に食事をする場合には既存のテーブルの下に新たに低めのテーブルを格納しておき、使用するときだけ引き出して使うネストテーブルタイプを準備するのも在宅で一緒に過ごす空間づくりの一つの方法です。
高齢者用のテーブルを選ぶ注意点として
- テーブルの角を丸く(ソフトエッジ加工・R加工)する
- 天板は耐水性・耐汚性が高く掃除がしやすい材質にする
- 手すり代わりに体重をかけることも在るので脚周りの強度をしっかりする
- バタフライテーブルや折り畳みテーブルなど、使用するときのみ出す場合には介護者が動かしやすいものにし、金具などで強度を補強する
等どちらかというと保育園の家具を購入するときと同じような注意点になります。
耐水性・耐汚性が高く掃除がしやすい材質とは
テーブルの基本は木材ですが、無垢材などを使用する場合には耐水性の高い塗料を使い、メンテナンスをし続ける必要が出てきます。市販で販売されているテーブルは無垢材は高価なので
無垢の突板塗装や木目がプリントされたポリ合板やメラミン化粧板などを表面に使った加工品が多く見受けます。その中でも耐水性が高く、耐摩耗性、耐汚性が高くお手入れしやすい材料はメラミン化粧板になりますがその場合、家具の角の加工がまっすぐの場合が多いので、ソフトエッジなどを取り付けて角に丸みを出すか、
AICA工業のメラミンポストフォームなどを使用してR加工がしてある天板をオーダーするか、木口だけR加工になった面材を巻く、などの方法があります。
介護テーブルではありませんが過去に製作したテーブルの事例を少し写真で掲載します。AICAのポストフォームと、無垢材の貼り付け、
またバタフライテーブルや折り畳みテーブルは天板を開いた際の強度がしっかり保てるようにしないと、天板に体重をかけてしまうこともあり、体すべてをゆだねて載せて万が一の家庭内事故になりうることもあります。それを防ぐためには十分な強度のある金具を使うことを推奨します。
金物を使うと値段が高くなりますがその分、家庭内事故の軽減になると考えると良い選択だと思っています。下記動画はワゴンタイプのバタフライテーブルですが金物を使用した事例の参考にご覧ください。
また、在宅介護で使うテーブルですが、業務用の介護用品のデイサービスや病院向けのテーブルや会議テーブルも参考になります。