高齢者椅子の選び方

高齢者になると、生活動作の中で大きな変化があるのが立ち上がりです。足腰の筋力の低下や、脳卒中やリウマチなど何かしらの疾患による症状や後遺症で立ち上がりに時間を要したり、立ち上がりが自力でしづらい問題でストレスになり活動を制限してしまう・ひきこもりになってしまう、失禁につながるケースもあります。また無理をしてけがをしてしまう恐れもあり…

立ち上がりに必要な手すりと椅子

高齢者や身障者が立ち上がりに必要なのが手すり、そして立ち上がりをサポートする機能がある椅子です。私の母も脳梗塞の後遺症を抱え、在宅介護前に手すりの取り付けが必要な個所としてお風呂や廊下、玄関にトイレとチェックが入り、お風呂の手すり工事は介護保険を利用して行いました。

上記は建築物に付帯する手すりですが、生活していく上でベッドや椅子から立ち上がる動作を自立して行うには椅子に何かしらの補助があると立ち上がりがしやすくなります。

  • 座敷椅子
  • 座敷・リビング回転椅子
  • リクライニングチェアー
  • ひじ掛け付き椅子
  • キャスター付き椅子

など様々な必要機能が備わった椅子がありますが、個人個人の体の状態や室内空間、日常生活形態により適した椅子が変わってきます。

高齢者椅子選びの注意点

椅子の高さ調整ができる椅子はとても便利ですが、デスクチェアーのようなワンタッチでできる油圧式の昇降機能がある椅子は高齢者にとって誤作動をしてしまい、調整中にドスンと下げてしまったりレバー作業中にケガをしてしまう危険性もあるので高さ調整をねじ固定式で極力動かさない専用椅子にする。

また背もたれの高さが調整できるリクライニングチェアーに関しても一般的な床に置いてガチャガチャガチャっと調節してフラットになるチェアーは座った際に固定されていないことも在り無意識にもたれると後ろに転倒してバランスを崩すことにつながるので肘掛け椅子タイプになっていて調節中でも座面が床に対して安定している

ということをお勧めします。

さらに、立ち上がる際に力をかけるひじ掛けに関してしっかり強度を保てる仕様のものを選ぶことが大事です。健常者の方が選ぶデスクチェアーの安価なものはひじ掛けが簡単に外せたりキャスター付きで回転したりと便利な機能があるのですが、高齢者や身障者が体を全て委ねて負荷をかける場合の強度を保てないことも在るので併用することは控えたほうが良いです。

高齢者椅子の最適な高さと調整方法

高齢者だけでなく、人間工学的にいうと一般的に椅子の高さは椅子に深く腰を掛けて足がきちんと地面につき、座った状態の足の角度が直角になる座面の高さが最適です。

介護施設や老人ホームでは座面の高さ38cm程度が適した高さです。ただ、椅子の高さは個人個人の身長や体型により違いますので、多くの人が利用する施設の椅子の場合には、利用者さんの足裏が地面につくように踏み台を作ったり、クッションを使ったりして座面高の調節をします。

※踏み台を使う場合、移動される時にはサポートが必要になります。

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