厚生労働省や消費者庁の調査で高齢者の死因に挙げられる『不慮の事故』その不慮の事故は
- 転倒
- 窒息
- 溺水
が主とされています。今回はその中でも福祉住環境コーディネートと関係の深いお風呂での溺水について記載します。
お風呂の溺水の原因
高齢者になると寒暖差による急な血圧の変化で脳の血流が悪くなり意識を失うことがあり、暖かい部屋から寒い廊下、そして冷えた脱衣所に移動する際や浴槽のふたを閉めたままの冷え切った浴室内に入る時など、いわゆる『ヒートショック』を起こす恐れがあります。
冷えた浴室に入り血圧が上がった状態で温かい湯船に入ることで血圧が下がり、さらにお風呂の水圧も加わり、浴槽から立ち上がる際に立ち眩みが起こったり湯船の中で気を失い、溺水・溺死してしまう事故が報告されているようです。
また、食事後やアルコールを摂取した後の低血圧状態や睡眠薬などの薬を飲んだ後の副作用で意識を失うこともあります。
若いときにあこがれた足を伸ばして入る広い浴槽、セレブの住まいによくあるイメージの広いジャグジー。お風呂が広いと疲れもとれるし母もゆったりできていいだろうと思っていましたが、万が一ヒートショックを起こして意識を失った際、体を支えることが出来なくて逆に溺水のリスクが高くなるので背中は浴槽壁に、床には足の裏がきっちりついて足を伸ばし切らない浴槽サイズが溺水の抑制に良いなと思いました。(独身老後で見守り家族がいない私の老後のことも考えて。)
お風呂の溺水事故を防ぐには
血圧の変動等を抑えるために
- 脱衣室を暖かくしておく(室内から移動するルート含む)
- 浴室の洗い場を暖かくしておく(風呂ふたを開けておく)
- 湯温は41度以下にしておく(寒いからと高温にしない)
- 10分を目安に湯に浸かる(長時間入浴は避ける)
- 湯船からの立ち上がりはゆっくりする(浴槽内では水圧がかかっているため)
- 食後や飲酒後、薬服用後の入浴は避ける
- 入浴前に家族に報告する
- 入浴中家族は気を配る(長時間になる場合、声かけ等)
お風呂での事故は持病の有無関係なく突然起こりうることです。健康体だからといって安心することはできないので健康な時から常に気を配って癖付けすることも大事ですね。私は冷え切った体で高温のお風呂に浸かるのが好きなので気をつけなきゃ…
広い浴槽で不安な場合、浴槽内のイスなど介助用具がありますので福祉用具の相談をして適切な補助をすることができます。
ちなみに我が家の場合、シャワー椅子と浴槽からの立ち上がりが困難だったので浴槽椅子を介護保険利用で購入しました。
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福祉住環境コーディネーターの勉強をする前、母の在宅介護が始まる際にケアマネージャーさんや福祉用具専門相談員さんに任せきりで判断したお風呂の手すり取り付けリフォーム。後から気づくと手すりの色選びの知識が私に無かったことが悔やまれます…。この経験もお客様に役立てたいです。
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“足が伸ばせる広い浴槽は高齢者になると不慮の溺死・溺水の危険” への1件のフィードバック