脳梗塞後の在宅介護で扉の不便と解決方法

私の母は脳梗塞がきっかけで現在、在宅介護生活で自立した生活を目指すことに至り介護保険を利用した住宅改修に関しては手すりの取り付け程度でほぼほぼ実家そのままで暮らして自分の足で歩き、排せつや入浴は自分でできるまで回復しています。しかしリハビリをし続けないとドンドン能力が低下してしまう不安も抱えています。この記事では脳梗塞で今後在宅介護をされる方に少しでも参考になればと困っている点などを記載します。

書いていて昔の住宅は在宅介護は前提に無いということを改めて思いました。

脳梗塞後遺症を抱えた母の実家の扉問題

私の母の場合、とにかく家に帰りたい気持ちが強く、予定よりも早く老健を退所したためゆっくり考える時間がありませんでした。退所前に私が現在の実家の玄関や浴室、老化、その他段差がある個所などを写真に撮って手書きで図面と段差を記したものを渡し、ケアマネージャーさん立ち合いで理学療法士の先生や専門家立ち合いの元、実家のチェックをして母が実際に動いてみて問題があるかないかを見ていただいた結果、手すりの取り付けと風呂の椅子などを購入しました。

実際に生活してみて回復の兆しをみせつつも、こうなっていると扉問題は大きいと思ったので、高回収すると便利だなという点をピックアップします。

玄関扉は引き戸が良い

実家の玄関扉は開き戸で玄関は建物の端にあり、横に部屋があるため引き戸にできるスペースが全くないためもともと引き戸にすることは不可能で諦めていますが、住宅改修できる場合には引き戸に交換することをお勧めします。というのも扉を開けて出入りするときに、体の前後の動きが必要でバランスを崩してしまいがちになるからです。また、出入りどちらかで取っ手が麻痺側になるので(母は左手)力が入りにくく無理して腕が攣る、支えきれず手を放してしまい扉に身体を挟んでしまうなどケガにつながりかねないことがあります。

これが引き戸であればスムーズに入退室できるので負担が減るだろうなと考えていてこれは室内すべてに言えることで、トイレや浴室、居室や寝室の扉すべて引き戸または折れ戸であれば移動しやすいというメリットがありますね。

室内引き戸は敷居レール付きが良い

実家は私が生まれる前に建った建売住宅で、室内扉と押し入れは木製の敷居と鴨居をスライドさせるレール無しの重い木製扉です。最近の住宅では引き戸にキャスターを付けた軽量タイプでかつ段差を解消する埋め込みタイプの敷居レールが主流ですが実家は重い扉をズズズッと開閉するもので母は占めることを放棄しているのかと思うほど開けっ放しで暮らしています。

扉の動きを楽にするために敷居滑りテープなどを敷居に貼る対策もありますが溝の深さによってはしゃくりがかからなくなったり扉が鴨居に当たって開けにくくなるという問題もあり、扉まで削らないといけないことになります。(仕事上私はできますが一般家庭でDIYするのは腰が重くなるように思います。)

それであればもうDIYついでに扉にキャスターをつけて敷居レールを交換してしまった方がより良い使い勝手になりますね。もちろん費用や時間がかかりますし、私の中では自分でできるよという思いがあるのですがたいていは業者さんに依頼しないと難しいですよね。大掛かりな工事をせず吊り戸タイプもあるのでのちに記載します。

扉の取っ手はサムターンよりもレバーハンドルが良い

続いて実家の開き扉はすべてサムターン回しタイプです。サムターン回しだと握力低下によりドアの開閉がストレスになってしまい麻痺がある方側の手では開けることができません。ですのでキッチンや浴室に向かうための扉も先ほど記載した母の寝室兼居間の引き戸同様開けっ放しになりがちなので冷暖房が効きにくいなどの問題もあります。

それがレバーハンドルだと負荷が減るので開閉がしやすくなると考えます。でもやはり引き戸に交換した方がよいかなと考えます。

浴室とトイレの扉の折れ戸の注意点

浴室やトイレの扉も開きよりは引き戸、または折れ戸が便利ですが、折れ戸の扉が内開きの場合、浴室内で転倒して体で扉をふさいでしまった場合には救助するために入ろうとしても外から開けられなくなることも考えられます。ですので万が一の場合を考えて事前に外からでも取り外しができるタイプの折れ戸にする方がよいです。

引き戸の改修を簡易にする吊り戸タイプもあり

開き戸を引き戸にする改修工事は介護保険の対象ですが大賀係になることを避けたい場合には開き戸を外し、壁に上吊りレールを設置するだけのアウトセット引戸があります。開き戸だった部分に外付けするだけなので床にレールをつける必要がないため床面の段差をなくすことができるのも利点です。しかし、扉をスライドさせるスペースが必要になります。

介護保険を利用した住宅改修対象工事とは?

  • 1.手すりの取り付け
  • 2.段差の解消
  • 3.引き戸等への扉の取替え
  • 4.滑りの防止及び移動の円滑化等のための床材の変更
  • 5.洋式便器等への便器の取替え
  • 6.その他、1~5の住宅改修に付帯して必要となる住宅改修

となり、引き戸への交換は介護保険を利用した住宅改修費用支給対象です。

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