家具職人の田舎移住、オーダー家具製作をしては現場に出向き、という日々、設計者から図面をもらって一から最後まで一貫する仕事。

世間がイメージする、工房で椅子やテーブル、タンスなど黙々と作るのとは全く違い、病院や店舗、個人宅といった壁面など備付けの収納が主でした。

2.家具職人の田舎暮らし・仕事も趣味も充実したスローライフの理想と現実

の続きです。

私の理想の田舎暮らしはスーパーマリオみたいなつなぎ着て黙々と木を削ったりして過ごすことですが、まだまだ縁遠い現状。

2004.5年当時はまだSNSの普及もなく自分で売るには雑誌やテレビ、新聞などで知名度をあげたり都会の百貨店にてイベントをするなど…

そしてそれに見合う技術や価値が身についていないので自分としては無理だということはわかりつつも将来を描く上で必要なスキルを吸収せねばと貪欲になんでも挑戦しました。

ここからは当時の話であり、現在のやり方は知りませんのであくまでも昔話の事例と直売したい感情の揺らぎや行動の理由としてお読みください。他社様に迷惑かけるつもりはありません。

私がお世話になっていた木工所のメインは通販やホームセンターのノックダウン家具です。ノックダウンというのは『お客様組み立て家具』ですのでパーツを製作して段ボールにパーツとネジなどをセットにして宅配にてお届けする家具です。

当時はまた紙通販が主流で、大手の通販会社複数と取引がありました。カタログ通販なので綺麗な写真を見てお客様が電話やハガキで注文し、通販会社の倉庫から届くというスタイルです。

製造者はどちらのどなた様が購入してくださっているのか全くわかりませんし、感想を聞くことも出来ません。オーダー家具製作と違い消費者が見え無いのです。

ただ言われたロッドを言われた納期に納品するのみですが技術を駆使して良品を製作することに勤しんでいました。

時折手伝いでラインに入ることもありましたがオーダーと違い、スピードも生産量も違い、邪魔にならないよう私も手伝いのスキルを磨きました。

それこそ本当に汗水流して作った家具、通販会社の倉庫から返品が定期的にあり、会社の入り口に乱暴に降ろされています。

返品理由を見ると

『外箱不良』

がとても多く、もし外箱不良が本当の理由で有れば通販会社の倉庫からお客様への配達時であり、こっちには落ち度がないはずです。

一括納品でパレットでラップに巻いて運送屋で納品しているわけだから不具合が有ればその時に問題になるはず…開けてみたら全く手付かずの綺麗な製品です。

さらにいうと

『商品不良』

などというシールも貼られていて、何が不良なんだと返品を開けてみたら出荷したままの材料の配置で組み立てにチャレンジすらしている形跡がありません。

ようは、注文したけど気が変わったり、組み立て式だと思っていなかったり、組むのが無理だと思ってキャンセルするのに何かしらの理由付けて商品のせいにして、カスタマーもお客様第一でクレームを気持ちよく受け付け下請けに返せばいいという考えなのでしょうか。商品を知らない人が電話口に出てお客様に商品が悪いと言われたら本当に製品が悪いと思っていたかも知れません。

『主人に怒られたのてキャンセルします』

もありますよね

『知るか!!!アンタの家庭の問題は関係あらへん!旦那のせいにしておけば同情されて許されるとでも思ってるんか?』

と突っ込みたくなる返品理由もありますがこちらには別の理由がついて返ってきます。下請けに返せばいいってもんじゃありません…涙

書くとキリが無いしグチっぽくなりますから控えますがとにかく納得いかないことがたくさんあり、そのまま風潮として木工所自体が放置して赤字かぶっている事が許せませんでした。

もちろん、売る力が無い自分達の製品を販売していただいている敬意はありました。不満あるなら自分達が売る力が無い事も反省しないといけません

(後に記載しますが、ネット直売始めてから、外箱不良とか理不尽な返品が0でしたので、返品問題に関する答えはハッキリ出ています。)

では、この使える返品家具、どうしていたかというと

  • 段ボールを新しくして詰め替える
  • 生産時に欠損したパーツを補充で取り出す
  • 激安家具販売店にトラック一台分いくらで買取に来てもらう

ことをしていたらしいですが、人手不足もあり結局手付かずで倉庫に山盛りになり宝の持ち腐れ状態になっていました。

『もったいない!』

『腹立つ!』

『悔しい』

『悲しい』

色々な思いがこみ上げて来てボスに、

私『これB級品家具として地元で展示販売出来ませんか?段ボール作り替え要らないし、みんな車だから配送手間もかからないし!捨てるからお金に変えたいです。』

と提案したところ、

ボ『そうしたいけどする人がいないからそのままになっている』

……うーん

私『私が土日など空いた時間にやります』

とただでさえ忙しかったけど悔しさと悲しさが勝ち、ボスが知人のホテルが国道沿いに持っていた備品置き倉庫を借りてくれ、

2話に出てきたタロちゃんとコバちゃんに搬送など手伝ってもらい『倉庫市』がスタートしたのです。

もちろんブログやSNSのネット配信も広告も無く、ただ道を通る人が立ち寄り。口コミをしてもらうのみです。

ポップを手書きで作り、展示して値段は私の気分…完全に任せてもらっていました。

オーダー家具製作の仕事が忙しい時は開けれないので口コミで来てくれた人が

『やっと開いてたよ。いつ開いてるの?』

というので

『シャッター開いているときですので縁です。』

だなんて答える私。関西弁だから珍しがられ、お菓子や野菜の差し入れをいただいたり可愛がってもらいながら出来る限りシャッターを開けました。

おかげさまで無広告でも集客はできましたが売れる事が面白く、フリーマーケットに参加してチラシ渡して後日倉庫に買いに来てもらったりと、

雑な扱いを受けて返品された、工場のみんなが一生懸命作った家具が、命を吹き返し皆さんに喜んで使っていただける家具に戻りました。とても嬉しかったです。

アナログ職人がオーダー家具製作をしながらの両立。サーフィンはどこへやら?の家具を作ったり売ったりの日々でした。2005年のことです

5年後に暗雲が近づいている事も知らずに…

4.田舎暮らしで反スローライフ生活・仕事の息抜きはマラソンと漁火

に続く