
家具を作る仕事の即戦力になれるよう、木工機械を使うようになるもますますへっぴり腰の私。
家具職人への道14~木工機械を使うのが怖い!~の続きです。
家具職人への道15~就職先が見つかった?!~
自分で作った家具を販売する機会を経験し、ダメ出しされていないかとてもドキドキして自信がない私に
『おい、こっちに来い』
と師匠が私を呼びました。
なにやら師匠と親しげなご夫婦が、私の下駄箱を買ってくれるというのです。
マジー!!!(心の声)
それはそれはとっても嬉しかった。嬉しくて泣きそうでした。自分で作った家具を買ってくれるってこんなに嬉しいものなのか…。
『ありがとうございます!』
舞い上がる私。それだけで精一杯。何の愛想もなしにそのご夫婦の元を離れその後も展示会が続き、仲間の作品も売れ一緒にドキドキしながら過ごしました。展示会も終わり、片づけをしているときに、売れたはずの私の下駄箱が残っているのです。
あれ?後日取りにいらっしゃるのかな?もしや要らなくなったとか?どうしよどうしよ、やっぱり私のはショボかったんだ。お気に召さなかったんだーーーー
と、またもや落ち込む私(笑) すると、師匠が
『お、その下駄箱な、買ってくれた人が、お前にあげるって』
ん???どういうこと…???展示会で、私に下駄箱を買ってくれたご夫婦がなぜか、私にあげる と…
ん???
よくわかりません。ハテナマークが広がる私
師匠が言いました。
『お前は合格や。春から●●さん(買ってくれたご夫婦)のところで働け!』
は???
ん????
『だから、お前の仕事先だろ』
えーーーーーー?????
なんだかいまいちつかめない。しかも こっちの都合も関係なく 行け!って、、、どんなところかもしらないのに。あのご夫婦って木工所の人だったの?
家具職人への道16~木工所にいざ面接~
編集後記
このとき、自分が作って買っていただいた下駄箱は今までで一番最初に家具らしい家具を作り、そして丁寧に思いを込めて作ったもので未だに実家の玄関にあります。このときの思いで作ることは二度と無いと思うし、葛藤しながら家具職人を目指していた気持ちを今でも忘れずにいることができています。
自己満足ではありますが私の宝物でもあり、こういう粋なことをしていただいた社長には感謝しています。私が、不義理をすることになるのですが、第三者に購入していただき手を離れるのではなく、プレゼントとして手元に下駄箱を残してくださりありがとうございます。