田舎移住、当時は田舎暮らしブームでは無いし地方創生による移住支援なども無い状況の2004年。ただただ変わり者扱いが普通の反応…特に20代半ばで独身女のおひとりさま移住は田舎の人からすると怪しまれるほどでした。
家具職人への道20~田舎に移住~非常識なタウンページハイジャック
の続きです。
面接の約束時間になっても連絡取れず、待ち合わせの駅前で1時間以上待った時に諦めて駅そば屋に入りました。
すると…ようやく電話が鳴り
『ごめんなさい、工場で仕事していたら電話聞こえなくて!しかも今、車が現場に出ているから迎えに行けないからタクシーで来てください。運転手さんに◯◯木工までと言ったらわかるから』
っと。
え?それだけで着くの?まあ言えば大阪駅で地名も言わず◯◯木工まで、って言ってるのと同じじゃない?それで着くって有名企業?
お金も余裕ないのにタクシーでナンボなんや…
面接というよりタクシー料金にドキドキしながら言われた通り
『◯◯木工までお願いします、そういえば運転手さんわかると言われました』
と運転手さんに伝えたら…
『聞いたことないなあ』
って、木工所のオッサン、嘘つくなや(笑)
と心の中で思いながらタウンページをメモしていた住所を伝えて進み、付近に来ても見つからず、ウロウロして料金が怖いから降りて探しました。
数分歩いて両サイドと目の前に田んぼが広がり、20台は停めれる駐車場の奥に大きな工場がありました。
日曜日でしたが、機械が動いていて数名の工員さんがいて不審者を見るようにジロジロ見られました。
『あ、ごめんごめん、この社員達は障がい持っていて、ついついジロジロ見るだけだから気にしないで』
と後ろから声をかけられ…初対面が実現。
『タクシーでスッと来れたでしょう?』
というので『知らん』と言われたことは言わず少し探しました。っとだけ伝えて事務所に案内していただきました。
面接なのに今この木工所でしている仕事の話や世間話ばかりで、ようやくなぜここで働きたいのか聞かれたのが1時間経過後…
『仕事前とか後にサーフィンができる海の近くに住みたいからです』
とバカ正直にいう私。
すると面接官の男性が
面『サーフィンは大会とか出てるのですか?』
というので
私『いやいや何度入っても波に立てないからコソ練したいんです』
面『大会出れるようになったら表彰台どれくらい狙いますか?』
私『えっ?いやあ3位に入れたら嬉しいですが…』
(なんの質問やねん 笑)
面『えー!大会出るなら優勝目指さないとダメでしょう?!』
と…一体なんのやりとりなんだろう…
そのまま今製作されている家具の作り方をどうすればいいかなど質問されたりトレーニングジムに通っていたけど行けない状態だとか話している間に現場から車が帰ってきて、私も高速バスの時間が近づいてきたので駅まで送るモードに…
(結局世間話しにきただけ?)
と考える私を助手席に乗せ、タクシー料金来た反対方向に向かう面接官。近道?なんかなぁと思い黙っていたら
『せっかく来たし海見たいでしょ?!』
と、なんと1番近場の海をわざわざ見せてくれてそのまま駅に向かいました。
(あのう…ただの世間話とドライブやん…面接はどうなったんですか?)
と聞けずじまいで駅が近づいて来た際に
面『で、いつから来れますか?』
???
面『家も探さないといけないでしょう、きっと借りにくいから知り合いの不動産屋に聞いて資料郵送しますね』
???
私『あ、ありがとうございます。良いんですか?では今の木工所でしている仕事もあるし前もって辞めること伝えるので1か月以上先でもいいですか?』
面『わかりました』
アレ…面接ってこんな感じ?
と拍子抜けしましたが、この面接官が社長の長男(私の母と同世代)で実質の経営者で権限があり、ガンで亡くなるまで長くお世話になり切磋琢磨する良き出会いだったのです。
しかしまあ変わり者には変わり者が引き寄せられるのですかね(笑)いやきっと他ではおかしいかもですが私達の価値観がピッタリあっただけで変わり者ではないはず!
あとから聞きましたが、面接官(のちにボスというあだ名をつける)が若い頃休日にカーレースをしていて良く優勝していて鈴鹿に行きたかったけど、会社の跡継ぎだし、子供が産まれた際にレースを辞めたので趣味を求めて移住する気持ちは応援したかったみたいです。
…まぁ私はサーフィン大会に出るほどの情熱はありませんでしたが…。
レース引退したその後、銀行さんからゴルフに誘われたきっかけでアマチュアゴルフの優勝目指して大会に出たり、飛距離を伸ばしたり体幹を安定させるためにトレーニングジムに通ったりしていたそうです(笑)
だから面接時に表彰台、優勝狙いじゃなきゃ!っと話したんですね…
大阪に帰り木工所に田舎移住すると伝え、社長の奥さんに田舎でもいじわるな職人さんいるかもしれないからいじめられないよう気をつけてねっと心配していただきありがたかったです。
いよいよ田舎移住スタートだ!
(ストーカーともサラバ 笑)
家具職人の田舎移住2話、
田舎で好きな仕事と趣味でスローライフを目指したが予定が狂う…に続く
家具職人への道20話
※この話は過去の体験談であり現代に役立てるものではありません。
- 家具職人への道1・少女時代の衝撃
- 家具職人への道2・就職で東京へ行くもすぐに退職
- 家具職人への道3~住宅販売営業マン時代~宅建取得
- 家具職人への道4~脱サラして修業へ~
- 家具職人への道5~募集も求人もない現実~
- 家具職人への道6~オークヴィレッジ(森林たくみ塾)に憧れて~
- 家具職人への道7~門前払いの修業への道~
- 家具職人への道8~勉強・修業の門が開く~
- 家具職人への道9~道具の手入れ漬けの日々~
- 家具職人への道10~修業は守破離が大事~
- 家具職人への道11~修業の根性鍛え直し~
- 家具職人への道12~就職も求人もない!~ただの貧乏な無職に
- 家具職人への道13~実現しなきゃただの馬鹿~
- 家具職人への道14~木工機械を使うのが怖い!~
- 家具職人への道15~就職先が見つかった?!~
- 家具職人への道16~木工所にいざ面接~
- 家具職人への道17~衝撃の事実~
- 家具職人への道18~木工所見習いデビュー体験談~
- 家具職人への道19~木工所を辞め木工所に転職繰り返し~
- 家具職人への道20~田舎に移住~非常識なタウンページハイジャック
家具職人の田舎移住
- 家具職人、田舎移住を目指して木工所で面接
- 家具職人の田舎暮らし・仕事も趣味も充実したスローライフの理想と現実
- 怒りの家具職人・田舎の国道沿いで手作り野菜販売ならぬ家具の直売始めるぞ
- 田舎暮らしで反スローライフ生活・仕事の息抜きはマラソンと漁火
- アナログ家具職人が田舎でネットショップ作る
- 友達がいない田舎の家具職人にブログ友達が出来た
- 家具職人を辞めた日々、木工所の火事と家無し、援農体験
- 木工所の倒産と廃屋暮らしで再スタート
- 田舎で無職、経験を活かした仕事で失敗を繰り返しながら食い凌ぐ
- 田舎暮らしでネット集客のみで家具職人復活の兆しと鬱病予防に断酒
- 田舎移住12年過ぎて地域活動の魅力にハマって仕事にする
- 田舎移住を受け入れてくれたボスが癌を患う・母の介護始まる
- 田舎暮らしで築いた仕事と30代で介護離職の苦悩
- 田舎暮らしで築いた仕事と家具職人の仕事を辞めずに人に任せてみる
- 家具職人目指した事や田舎移住に後悔してますか?
- 都会で暮らすことの苛立ちと人間関係の苦しみをただただ愚痴る
- 精神治癒と田舎暮らしに戻るために資格勉強に挑戦する話
- 資格と介護を通じて田舎で役立てる住まいの仕事の種火を続ける
- オーダー家具の見積もりと製作の直接依頼を辞めている訳
- 復帰をお楽しみに…
【番外編】田舎の地域活動の役割を果たせず落ち込む話