扉加工で思うオーダー家具を安い材料で作るデメリット

今日も木工所のお手伝いにてマンションの下駄箱の扉加工を150枚ほどしました。作業しながら思ったことを少々…。

作業内容は同じでも材質が違うだけで時間のかかり具合が変わります。扉は家具の顔でもあるので傷つかないように神経を集中させあっという間に時間が過ぎます。

扉加工で思うオーダー家具を安い材料で作るデメリット

マンションの下駄箱の扉によく使用するのはアイカ工業メラミン扉・低圧メラミン扉で

化粧紙(チタン紙)にメラミン樹脂を含浸させた化粧層と、下地のMDFまたはパーティクルボードとを、高温で高圧プレスしたアイカのメラミン扉やアルプス工業の低圧でプレス成型した化粧板で、表面硬度が高く、耐汚染性、耐摩耗性、耐熱性、耐水性に優れた高機能な化粧材のことですが

今回図面の指示があって使用したのはオレフィン扉です。

扉加工で思うオーダー家具を安い材料で作るデメリット

オレフィン扉は非塩ビシート(オレフィンシート)と下地のMDFとを張り合わせた化粧板で耐汚染性、耐候性、耐水性に優れた化粧材のことです。

比較してみると…

  • 耐摩耗性:メラミン>オレフィン
  • 耐傷性:メラミン>オレフィン
  • 耐熱性:メラミン>オレフィン
  • 耐水性:メラミン=オレフィン

ざっくりいうとこんな感じなのですが、品質比較上当然、値段はメラミンのほうが割高になります。

メラミンのほうが品質が良いからといってカウンターなどではないのでもちろんオレフィン扉でも問題はありません。

しかし…

扉の丁番穴あけ加工する際に、どうしてもMDFや裏面材の削りクズが出ます。表面に傷つかないようにエアーで飛ばして慎重にするのですが

メラミン扉よりもオレフィン扉のほうがちょっとしたことで傷がつくのでゴミが噛まないようにエアーも念入りに念入りに。運ぶ際もこすらないように慎重に。

時間もかかるし無傷で出荷したとしても出荷途中での摩耗や搬入取り付け時に作業する人の扱い方で傷がついてしまい

補修しないといけないこともしばしば…。

家具の材料で安いプリント化粧板などもありますが、結局安い材料でも時間と補修代がかかり加工コストが高いなあっと常々思います。さらにいうと実際に住まわれる方の使用頻度や使い方によっても傷の付き方が変わるので、

猫や犬などのペットが居るご自宅の場合や、不特定多数が利用する店舗家具にはプリント化粧板やオレフィンよりもメラミンのほうが長い目で見て絶対に良いと思います。

オーダー家具の材料は少しでも安いほうがいいというお気持ちはとても良くわかりますが、安くて傷つきやすい場合、買い替えや交換の頻度が高くなってしまいます。

もしオーダー家具の価格を安くしたい場合には同じ材料でも仕入れ価格が安いところにお願いすると良いです。

たとえば…

無垢材ばかり使っている木工所でヒノキの家具を依頼するのと、合板ばかり使っている木工所にヒノキの家具を依頼するのとでは、もともとのヒノキの仕入れ価格が違うので販売価格が変わります。

逆もしかり…。無垢材ばかり扱うところにフラッシュ家具を依頼すると割高になることが多いです。木工所といえども、得意不得意があるので必要な家具を得意とする木工所に依頼することで

同じ材料でも安くなりますし、得意な方に依頼することで機械も揃っていてなれているので作業日数も少ないことからコストダウンができると思います。

わかりやすく言うと、収納家具を得意とするところに無垢の椅子を依頼すると断られる、もしくは割高になるということです。

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おまけ・オレフィン扉 J型手掛け

メラミン扉やオレフィン扉は下地がMDFの場合、取っ手加工ができます。
オレフィン扉 J型手掛け
扉の取っ手加工がしてあるので金具を取り付ける必要がなく、フラットな仕上がりになるので見た目がスッキリしますね。

加工する側も取っ手の穴あけをしなくていいので作業で傷がつくリスクも減るし作業工程も減るので助かっています^^;
オーダー家具・インテリア収納通販の失敗しない選び方