完全自殺マニュアルを約30年ぶりに読んでみた感想

希死念慮とか鬱とかいろいろぐちゃぐちゃで病んでいた近況ですが14歳からの難病を自己治療していくにあたり前向きになってきたこともあるのと、そういえば、希死念慮がやってきても踏みとどまる理由に中学生の頃に友達と読んだ完全自殺マニュアル [ 鶴見済 ]【PR】の存在があったので読み返してみることにしました。

完全自殺マニュアル』(かんぜんじさつマニュアル)は、鶴見済の著書。様々な自殺の方法が客観的に書かれている。1993年(平成5年)7月7日に太田出版から発行され、主に10代から20代の支持を受けてブームを巻き起こし、100万部以上を売上げるミリオンセラーとなった。

前書き、後書きに書かれているとおり、「いざとなれば自殺してしまってもいいと思えば、苦しい日常も気楽に生きていける」と提唱した本。「強く生きろ」という、日本の社会風潮に異議を唱えた。

Wikipedia完全自殺マニュアルより引用

2024年3月31日で123刷発行ってすごいですね。1993年に発行され図書館にもあったけど、1997年には有害図書指定問題となって太田出版は「18歳未満の方の購入はご遠慮願います」と書かれた帯を付け、(特に未成年者に)立ち読みできない様ビニールパックをして販売する事となったのがこの姿↓

完全自殺マニュアル
完全自殺マニュアル [ 鶴見済 ]PR

この本を読んだきっかけは中学校の頃、ゲイの友達が三者面談の時に担任の先生にスチュワーデス(当時はそう呼び女性の仕事だった)になりたい夢を鼻で笑われて中島みゆきさんの『うらみます』という歌を聴きながら読んだら面白かったと貸してくれたからです。

恨みますという歌も知らなければこの本の存在も知らなかったのですが、別の友達と回し読みをしてその後に内容について考察しました。

この死に方はぐちゃぐちゃになるからダメだな、損害賠償がすごいな!人を巻き込むこともあるな、迷惑かけるなあ、失敗したら最悪だな、うまくいく気がしない、これはいいけど成功率低そう、これはグロテスクな姿になるからやめておこうなどなど冷静?に考察をして結果

  • 自殺を成功させるのは難しい
  • 死にきれなかったら地獄
  • 様々な事例があって想像しやすかった
  • 辞めておこう

という感想だった。この本を多感な時期に読んだことにより、大人になって死にたくなる気持ちを抱えたときに、ああ、この方法は失敗しそうだ、この方法は残された人に迷惑がかかる、など考えて実行を踏みとどまることができたし

だいたい自殺をするときは周りの事なんか考えてられないというけど私の場合、前知識があることで迷惑にならないか?ということが非常に抑止力になって助かっている面もあるし、いざとなれば実行する方法を知っているということで何となく安心して今を生きれることにもつながります。

「賛否両論」ありますが私はまさか30年も経過して希死念慮に襲われる日が来るとは思っていませんでしたが30年経過してもこの本のことが印象深く残り、読んでいたことで駅のホームでボーっとしてしまった時に我に返れたりと救われている部分があります。

もちろん、この本を読んで実行したという人もいるようなので誰しもに抑止力を与えるわけではありません。(全員が抑止できるのが正解ではないということもある…)私は幸いなことに思春期で読んだ時にきちんと考察できる友達と読めたから長年に渡り抑止力になって生きていることは良かったのではないかと思います。

著者は90年代初めに会社員に耐えられずフリーに転身し、10代からの心の病により、精神科通院を続けその体験を土台に、生きづらさから逃れて楽に生きるための執筆・言論活動を行っているとあり、現在も活動をされています。この本の『はじめに』の部分は30年前とさほど変わらない問題が現代もあるなっと痛感しました。30年前は子供なので『はじめに』の部分は共感や理解は乏しかったですが令和に読んだら違和感のない『はじめに』だったと感じます。

おすすめするかというと万人にはなかなかできませんが私は昔も今も読んでよかった心の薬になりました。甥っ子や姪っ子に読んでもらっても問題ないとさえ思っています。ただ、私の死生観は父の件や自分の特性で世間からずれているので同じ捉え方をする人はいないかもしれませんがAmazonのレビューとか見て判断するのも一つの目安ですね。

⇒ 完全自殺マニュアルAmazonレビュー