今日久しぶりに外注さんが製作した洗面台の枠を見て昔を思い出しました。まず、この枠がどうして洗面台なんだ?と思いませんか?私はこの枠に扉をつけるだけって本当に大丈夫なの?と思ってなかなか受け入れることができませんでした。
20年程前に、図面(姿図)だけ渡されて某レストランの洗面化粧台を作れというのがこの世界で給料をいただく仕事の始まり。簡単な造作なので定期的にある改修などで出てくる仕事なので見習いにあてがわれる仕事だったようで、私も何回も作りました。
こんな枠で持つのか?洗面台が現場で載って完成するイメージがわかない、聞けない(質問はご法度の雰囲気だし実際に先輩の手を止めたら社長が怒ってくる)し合っているかわからないし間違えたら怒られて帰り道によく泣いていた思い出…
こんな環境は当たり前だと思っていたし仕事覚えるのに必死ではありましたが今思うと身につくまで全く楽しくなかった(笑)本当に毎日向いていない、自分は情けない、迷惑かけてばかりだ、などと病んでいました。
ただただ不器用な状態から出来ること(技術)が増える安心感と難しいことや新しいことをこなせた気持ち良さの中毒になっていました。仕事が好きで楽しいとはまた違う、意地とか自分との戦いとか没頭できる精神統一の面でこれまでの歪んだ自分を矯正しながら心が救われてきた面も正直あります。
40歳を越えてから、座学で勉強しているインテリアコーディネーターや福祉住環境コーディネーター、そして二級建築士も、今までの無知を恥じながら改めて知識が増える安心感や没頭できる癒し、そして学ぶ楽しさがあり、技術向上の面で似ているかもしれません。
私はもう中年で人に教える立場ですが自分が経験したことをそのまま移行することは絶対にしません。まずは質問や疑問を受け入れて仕事のやり方や解決策を教えるって大事だし、不安感を取り除くサポートも必要だと思います。
そんなこんなでタイミングよく、若者の脳と社会的な特徴を理解し、セルフケアを実施する【精神科医・益田裕介/早稲田メンタルクリニック】を拝聴したところ、若いときの反抗や落ち込みなどの解説もわかりやすく、特に子供カサンドラの部分はとても勉強になりました。昔の自分を重ねているようであり、姪甥や新人研修の理解とサポートに良いと思いました。