今日はマンションの下駄箱30台分の壁と天井のフィラーと幅木を製作していましたが、実はこの作業あまり好きではありません(笑)なぜなら本体とは違いおまけのような感じなのに手間がかかるという…。しかしフィラーや幅木などは家具をきれいに収めるために必要な縁の下の力持ち系のパーツです。
家具に取り付けるフィラーとは?
家具を壁と壁の間に設置するときに生じる隙間を本体と同材、もしくは壁と同色の材料で製作し、隙間を埋めるパーツです。こういうことを書くと語弊があるかもしれませんが必ずしも壁と床がまっすぐに仕上がっているとは限りません。また、ちょうどのところに家具を入れる場合に壁をこすってクロスを破ってしまうこともあるのでクリアランスを見て本体を製作し、フィラーを削り合わせて家具の隙間を埋めます。この作業は消費者の方はなかなか気づかない地味だけど手間のかかる仕事なのです。
ちなみに私の場合ですが、見習い時から先輩に教わった仕様で、現場で削り合わせる時間を短縮するために前面に出る化粧面の2.5㎜の材料のみを削るだけでいいようにL字型で製作しています。
家具に取り付ける幅木(巾木)とは?
幅木(巾木)は室内の壁と床のジョイント部分に取り付ける部材とされますが、家具にも幅木(巾木)が付く仕様があります。室内の幅木に合わせて統一感を持たせる場合や、家具の水平を出すためや、キッチンや洗面台では足のつま先が家具本体に当たらないように幅木を少し中に引っ込めて取り付けて本体の扉などの傷を防止する役目もあります。
家具の場合には本体+壁に取り付けるフィラーの幅をプラスして壁と壁ちょうどの寸法で現場でカットします。(現場の壁に幅木が回っている場合やコンセントがある場合には避けて取り付けることができる仕様にします。)
壁の幅と床ぴったりに下駄箱を取りつけする注意点
壁の幅と床ぴったりに下駄箱を取りつけする際、スライド丁番の全かぶせや半株背を使用すると側板に相応の厚みがないと扉が壁に当たってしまうので開閉ができないのでフィラーを使用してクリアランスを取り開閉ができるようにする役目もフィラーにはあります。
また、床に幅木を取り付ける理由は玄関など勾配のある床に対して家具を垂直に立てるために幅木を削って水平を出してその上に下駄箱などの収納家具を設置します。それだけではなく、床に直置きすることで湿気によるカビが発生したりすることを幅木で床から離して防いだり、床の勾配やマットを敷く場合、扉がこすることを防ぐためでもあります。また天井にも幕板が入りますが、天井と家具の隙間を埋めるだけでなく、天井の照明器具が干渉するのを防ぐためでもあります。
もちろん現場現場により巾木なしで床に直置きをする仕様や幕板やフィラーなしの仕様もありますが基本的に造り付け家具の仕様では壁と壁の間に家具を設置する場合にはフィラーを使用して納めます。
DIYでご自身で下駄箱を作る際には本体だけでなくフィラーや幅木、天井幕板なども考慮して見た目を美しく、かつ扉の開閉などがスムーズにできるように製作してください。