このブログでは家具職人になりたい方などから質問や相談が寄せられ個別に返信しています。その中でよくある質問が、
家具職人になりたいけど向いているか、続けられるか不安です。
といった類の内容です。家具職人になりたい、好きなことを仕事にしたい、手に職をつけたい、黙々と物作りがしたい、など同期や理想は人それぞれです。
向いているかとか続くかとかは他人の私は尚更わかりません…わかることは『好きなことを仕事にしたい』理想と現実の差があるほど精神的に辛かったり悩んだりすると思います。
家具職人の仕事内容は木工所による
家具職人になりたい人の動機や理想の多くはデザインした椅子やテーブルなどを作りたい、無垢の木でタンス(チェスト)やインテリア雑貨を手作りしたい、とどちらかというと家具作家思考です。
しかし、いざ求人情報を探してみると工房的な場所の家具職人募集はあまり見受けません。
もちろん昔ながらの家具の産地により、何かに特化した工芸品を作る職人募集もありますが、限定的なのでなかなか出会えず、移住をする必要かあったりと、個人個人の事情では現実的にならないこともあります。
木工所の中でも機械加工の量産木工所やフラッシュ家具での別注家具など多くの人の日常生活に求められる仕事内容の募集はよく見受けます。
募集をしているということから比較的就職しやすくなっていますが実は離職率も高くなっています。
家具職人の仕事の現実で辞めることも
家具職人になりたいといざ求人情報から就職するも、木工所により仕事内容は違うので自分の描いた未来がすぐに手に入るとは限りません。
- 機械加工で流れ仕事の一部になる
- 先輩の助手(掃除や補佐)
- 無垢の木の仕事は無い
- 毎日量産で同じ作業を繰り返す
- 体力が必要で夏は暑く冬は寒い
などの最初に突き付けられる現実が耐えられずにすぐに退職する人も実際に耳にしますし自分も目にしたことが数回あります。
話は変わりますが、パン屋さんや美容師さんの修業でも似たようなことがあるようです。朝早く、立ちっぱなし、仕事後の自主練が必要など、技術向上のために勤しむのが当然でやってきた人たちの中の常識についていけないことも。
例に出すと、フルマラソン走るために毎日ランニングしている人の10kmランニングは当たり前だけど、普段走らない人にとってはついていけなくて苦痛です。
しかし目的のために必要として3km.5km.10kmと徐々にステップアップして走ることが当たり前になるまで継続して基礎を作ってフルマラソン完走を目指す。
このように修業中は出来ない、しんどい、辛い、辞めたい、などネガティブな時があり、その段階で辞めるか継続するかに別れ、仕事内容の理想が高すぎる程
・こんなことがやりたいのでは無い!
・自分には向いてない!
と辞めてしまう可能性も高いです。体力が…人間関係が…給料が安い…など木工以外でもありがちな辞める理由を探して色々問題をすり替えてしまうことに陥ります。
もちろん昔ながらのやり方が成功への道とは限りません。改善した方が良いことや新しいツールが出ることでより良いやり方もあります。
ただ、お給料を頂いてその環境にいる限り、その会社のやり方や風習から会社に利益を出せる人材にならないといけない現実があります。
目の前の仕事をしながら理想の仕事は自分で拓いていく
自分が描く理想の仕事内容は最初からあてがわれることはなかなかありません。ですから目の前の現実から技術と信頼を構築していき
自分で好きな仕事を開拓して行く未来像を常日頃から胸の内に持つことで未来は拓けると思います。
家具職人になりたいけど続けられるか心配という方は辞める理由探しの前に『続けるためには?』を考えると、自分で納得いく答えが出せるのではないでしょうか
仕事内容云々より、生活費の不安がある場合は継続するのに困難なこともありますし、私のように諦める踏ん切りがつかないまま燻る廃人にならないようにもお気をつけください。
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