家具職人に向いている人

家具職人になりたいけど自分は向いているのかな?と新しいことにチャレンジする際に不安を持つ方は当然います。生活の基盤が変わるので失敗はできないので慎重になることも今の私ならわかります。なぜ『今の私なら』という表現になるかというとあまりにも何も考えずに自分の感情のまま行動してきて家具職人を目指した時から20年目を迎えかなり遅いのですが様々なことに気が付いてきたからです。

家具職人体験談2にも家具職人は整理整頓と人の気持ちを考慮することが大事と記載していますが、家具職人に向いている人を考えるよりは向いていない気質を理解すると解決策が見つかるのではないかと思います。

何より私が家具職人に向いていないといわれ沢山怒られ迷惑をかけてきましたから若いときに気が付かなくても痛みを知り改善していき、あとからこういうことか!と気が付いて過去を振り返ると恥ずかしいことだらけです。

家具職人に向いている人より向いていない気質を知る

家具職人に向いている人のイメージというと、

  • 手先が器用な人
  • コツコツ積み重ねることができる人
  • デザインセンスがある人
  • 家具作りが好きな人
  • 向上心や情熱がある人

等が一般的にあげられるようで、確かにそうなのですが、それだけでは仕事として成り立たないこともあり、好きとか得意とかとは違う部分で、独立するか会社員として家具職人に見習いになるか、立場によって向いていることがそろっているだけでは対価をいただくのに通用しないこともあります。ですので家具職人に向いていない人や自分の選んだ環境にあった必要なスキルを知りながら取り組むことにより修業中にぶつかった壁を乗り越えやすくなります

家具職人に向いていない人とは?

では、家具職人に向いていない人とはどういう人でしょうか?もちろん、職場や仕事内容により異なりますが、まずは修業や見習いをしてどこかの会社や家具職人の誰かに見習いとして就くケースをイメージしています。

  • 雑な性格・嘘つき(無意識や反射的にその場限りのウソやごまかし)
  • 掃除、整理整頓が苦手(散らかってても気にしない人)
  • 人の気持ちや周りの流れを考えることが困難な特性がある
  • 仕事に必要な体力がない

等といった項目です。どの職場でもいえることなのですが、やはり見習い中の仕事は一人でしているものではなく、お客様もいて対価をいただいていますので、そのお客様が手に取った時にどう思うか?を想像してみることが大事で、自分で想像したことがお客様にとって正解か不正解かは個人の価値観なので思い違いはもちろんありますが『相手を想う』という心がけ自体が大事ということです。

その心掛けができているとおのずと雑な仕事はしないようになります。雑な仕事というのはパネルがボンドや塗料、ほこりなどで汚い、ささくれがあることも平気、といったことから始まり、家具は0.1㎜の隙間でも見栄えが悪くなるのでそこを気にするかしないかでどの製品を製作しても良し悪しに差が出ますし、雑な人は注意力も低いので怪我をしやすいです。そしてうそつきは見抜かれるし製品に現れます。無意識・反射的にうそをつく人、その場を乗り切ろうと怒られないために嘘をつく人はうまくかわしたつもりでもばれているのでご注意を…

整理整頓や段取りは良い仕事をするための必須項目で経験を積み重ねてできるようになる部分もあるので最初はできない人もいますが、何度教わっても注意されても根本的に整理整頓や片付けや段取りが全くできない人は怪我や傷のリスクはもちろん、整理できていないことで周りにも迷惑をかけるし不快な思いをさせることになりますし、周りの気力も時間も奪い、足を引っ張り負の連鎖に陥ります。探し物が増えたり忘れ物をしたりと時間も損失につながるので自分の為にもできるようになることは大事です。

また、体力と気力は良い仕事をするために最低限必要です。私の場合も最初ヒョロヒョロで女には無理だと門前払いでしたが仕事をしていくうちに必要な筋肉が宿ってきました。たとえば工具を安定して持つのも筋力が必要です。安定していないと工具がうまく使いこなせません。のこぎりもまっすぐ挽けないし、金づちも的を得てたたけないし、インパクトもまっすぐ持てません。さらに一日中立ちっぱなし、重いものを持つ、前かがみで腰を痛める、座りっぱなしで肩が凝る、などいろんな仕事内容がありますがそれに見合った体力や回復力、あわせて気力も築き上げることは大事で基礎体力がない場合には向いていません。(辞める人多い)

とざっと書いただけでは誤解されるもしくは伝わらないかと思いますが、私自身ももともと向いていないといわれていたし、振り返ると本当に向いていませんでした。若いときはがむしゃらで感情任せでもいいと思います。なぜならその中でもやっていくと実は向いている人に限り気が付く時が来るからです。

好きと得意は違う

ただ、好きなだけで向いていないところで時間かけて努力してストレス抱えてソコソコの仕事しかできないよりは得意なことを仕事にして成功しろって自己啓発本などでは言われている一文を拝見した時、他人の幸せを考えるとそれも一理はあると修業中に怒られて向いていないといわれて落ち込んで帰り道に一人で泣き続けてきた真逆の私でも思います。

私みたいに向い感情だけでしがみついて失敗を繰り返し仕事ばかりに時間を割いても思い描いたことにならず、またあがいて…と家族を幸せにすることすらままならないのは自分は後悔はしていないけど、人にはすすめていません。向いていないことに対しての引き際や見切りも大事なこともあるとは思います。(私が引き際を誤りダラダラ続けているため仕事以外のことで捨てたことやあきらめたことも多いです。)

適材適所で活躍・能力発揮する場所がある

目指している家具職人がどのような姿かは人により違いますが、様々な性格や特性、体質を持つ方がいます。職人が向いている人でも条件すべてにおいてたけている人ばかりではありません。コミュニケーションが苦手な人でも筋力がない人でも適材適所に位置すると能力を発揮し、重宝される人材になりますし、そこで培い独立を目指す人もいます。

極端な話になりますが私は聴覚障がいや知的障がい、発達障がいを持つ人たちと何年にも渡り仕事をしてきていますので実体験に基づく個々の強みを知っています。その話は今回と少しそれるのでまた別の記事にて記載します。

最後に、初めから家具職人として独立する人にとっては必要のない内容も含まれています。ただ、自分の好きなことを貫くだけでなく、求められる相手の趣旨や嗜好を考え、たとえその嗜好が自分の好みに合わなくてもお客様に対して思いやりをもつことが自然にできるのは良い仕事をするために共通して大事だと思います。

なんかうまくまとまらないし描き足りない部分もたくさんありますがこのあたりで。もし具体的な意見があれば直接お聞かせください。