新型コロナウイルスの影響で家具製作の仕事が減っているという木工所もありますが、コロナ禍関係なく最近家具の材料によく使われるベニヤ板が値上がりしたようです。その理由は日本が輸入している海外の生産工場にあり、ベニヤ板が圧倒的に不足をしている状態で品薄による価格高騰、いろいろ書くと長くなりすぎるので省きますが、とにかく材料が品薄でかつ値上がりということは本来家具の単価はあがってもいいもののあげることは受け入れてもらえずむしろ、仕事がない木工所がどんな仕事でも確保したいと安く請負参入して値下げ競争のようになっているジャンルもあるようです。また大手さんが参入してこなかった分野に参入してきて大手の大量仕入れ大量生産によるパワーでコストダウンした価格を提案するので中小の工場では単価が付いていけず仕事が取れない状態もあるようです。
こうやって安くなったものを通常価格に戻すことはとても難しいのです。昔にネットショップでも経験しましたが安売り合戦に参戦すると末路は心が死んで利益も薄く忙しいだけでかつクレームも増えるということ。(クレームを言いやすいターゲット層になってしまう)まさに負の連鎖。
下請けで契約していると期間中は材料代が上がってもその値段で受けざるを得ないのは飲み込んで、しかし価格改定などでセッションしてみて無理なら身を引く勇気もいると思います。従業員が沢山いて仕事がないと遊ばせることになるってよく聞くお話ですが、取引先や顧客を変えることに注力し、抜け出さないと自転車操業で息切れして足が止まることになりかねません。私はずっとこの状態の会社をそばで見てきた分、切実に思うのです。何も悪いことをしていない、技術も高く要望に応えるべく試行錯誤をしているのにもっと安くもっと安くでずっと苦しい状態。その失敗談を反面教師にするとまっとうな生産ができない仕事にはもうついていかずに済む自社の強みを見つけること。
安くなるのは仕方がないご時勢、だから合わせるべく、企業努力をぎりぎりまでしてアイデアを振り絞り…それでも心が通わない・数字が合わない相手との仕事は未来に明るさはないし、違う価値観の有る市場に目を向けるべきでもあります。まじめにやっているのに悲しいですね。でも危機をチャンスにと自分が変わらないと。ですね。小回りが効くのも中小・個人の強みです。
(とはいえ理想を口に出したり描いても実現するまでの実践が簡単ではないのが壁ですが。)