家具職人

家具職人として生計を立てて生きていきたいと思った私は修業中に思い悩んで向いていないと辞めたくなったことはありますが

家具を作る仕事が出来るようになるにつれ、緊張感が増し、乗り越えた達成感やお客様の感想をお聞きして安堵し楽しくてやりがいを感じています。

私は幸いなことに、師匠にも恵まれ、基礎を身につけたのち仕事のパートナーとも同じ価値観で情熱を持って仕事に没頭する事が出来ました。

これが師匠や会社が合わない場合には辞めていたかもしれないですし、実際嫌になって辞めた人もいます。そう考えたら縁って大事ですね。

過去にも書きましたが勤めた木工所の都合でネット販売の仕事をしている間や工場の倒産にて作ることができなくなったとき、

そして復活したのもつかの間、これから本腰!という時に母の介護が始まりなかなか完全復活ができない時は相当な鬱状態でした。

廃人のような虚無感で覇気がない日々から手伝いで木工仕事をすると心が落ち着き、精神が安定する事を実感し、好きなことを仕事にして良かったと思っています。

しかしながら、好きだけでは仕事をできないこともあります。家具職人という仕事が好きでも、取引先や会社のコンセプト、パートナーにより仕事が嫌になり辞めたくなることも…

私も振り返ると記憶に残っていない超多忙な時期があり、その時の取引先があまりにも理不尽だったので現場で喧嘩することもありました…若かったなぁ…

使い手が喜び、役に立つ家具を作ることは基本なのに、その基本が失われ理不尽な大企業のお偉いさんの給料のためだと思うとやる気が失せたり(笑)

好きなことを仕事にすることができない、やりたいことが見つからない人もいますが立派な夢や目的がなくても焦らないで良いと思います。

もちろん仕事内容も大事ですが、その前に誰と仕事をするか、誰に対して仕事をするか。これが大切で精神的にも健全に良い仕事ができ、そこから夢や目標が出来てきます。

逆に夢や目標がありなかなか理想とする会社がなく、定職につけない就職活動から脱線し諦められずにしがみつくだけで時間が経過する人や、定職につけても人間関係に疲弊して、それはそれで目標がない人よりもとても苦しいのです。

人それぞれの価値観や得意不得意、置かれている環境の違いで答えは沢山あります。

嫌な思いをしたら…類は友を呼ぶと言いますがまさにそうで、自分の在り方で周りの人の良し悪しもあると思うので、まずは自分を戒めて改善点を考え、軸をしっかり持つことを大事にしています。