家具職人修業後の独立

家具職人の修業っていつまで?一流になるのはって何年?学校のように何年でこうなるといった法的な決まりはありません。技術の習得や向き不向きなど個人差があるので10年修業したからもう一流の職人といっていいかというのも違います。なぜなら私も20年目(現在個人事業主)を迎えるも全く一流ではない自覚と事実があるからです。まだまだ学びたいこともあるし習得しないといけないことはたくさんあります。って…ふつうは10年で一流になれるのが当たり前で私だけがどんくさいのかもしれません…

一流の職人を育てる 有名な 企業には独立制度が組み込まれていますのはすでにご存じかと思います。今回は10年で独立するという根拠が正しいのかどうか個人的に思うことや体験したことを記載します。

職人修業後独立制度があるのはなぜ?

家具職人を育てる丁稚制度がある秋山木工さんは寮生活を経て9年で独立、宮大工さんを育成する鵤工舎さんは10年で独立が基本とされていて、その理由の一つに含まれていると自分なりに解釈したのが小川三夫さんの記事で新しい風が吹かないと組織は腐るという言葉、秋山木工さんでは新陳代謝をよくすると書かれていた部分です。

若いときにはただ、10年で一流になれるから独立して食べていけるという意味だと思い、新しい風・新陳代謝という言葉を使用するまったく意味が分かりませんでした。 しかしながら私も10年目くらいで予想もしない独立(会社の倒産)から一人親方で自己決定自己責任で様々な経験をしつつ、親の介護でいったん仕事を休止しながらも知人の木工所の手伝いをすることにより。また人と仕事をすることを経験してから気づきを得たのです。組織的な場合には新陳代謝をよくする、新しい風を入れるということは育成にはとても大事なことだと思います。

若い世代を育成するゆとりと次のステップを

この経験は自分にとって知ってよかったと思える自戒の念になりました。若いときに自分はいつまでも元気だし頭も柔軟だし健康だと思うから想像力がなく歳を重ねないと見つからなかったことでもあり、さらに私の場合は30代で独立して自分の好きなようにしているので注意する人もいないこともあり、気づかないまま人を雇って老害社長になっていた恐れもあり…その前に気づいて心底よかった(笑)

人に教えることで自分もスキルアップするし緊張感も保てます。ただ現実的にいつか若い世代に追いつかれます。育成しているわけですから追いつかれないと逆におかしいですよね。その時に他の面で役立てる人材になるべく次のステップに進むことが大事だと思います。嫉妬して自分の雇用を守るために意地悪をしたり伸びる芽を摘んだり自分の体力低下でできないことを若い人に押し付けて楽しようとしたりするのは最低です。雇われだと尚更出てきてしまう問題だと思います。

私もこの先どんな体の状態、精神状態になるのかわかりません。体が動かなくなることもあるでしょう。その時にどのような仕事ができるか?作る方は任せて営業や育成、設計など今までの経験を活かしていつまでも人の役に立つ仕事をして人を想って働ける自分でいたいと考えています。いざ、50代60代になったらお荷物なのに口うるさい老害になっているかもしれませんから気を付けておこうと思っていることを自分が嫌なおじさんの後に続かないようにとブログに書いているのも併せてごらんください。

雇用された職人と独立職人とは全く違う

ちなみに、雇用された職人と独立している職人では仕事内容が同じでも24時間を通じて考えていることや受け止めること、見る目線や行動が全く違ってきます。その話は過去ブログにも記載していますが改めて書き直しますね。