家具職人として会社勤めをした後もしくは異業種から脱サラして工房を構える際に一人でするか誰かとするか?様々なケースがあると思いますが、私が知る範囲の中では最初は一人で始める人が多いです。
家具工房を独立をする際、人脈を頼ることが多い
中には収入源がまだ見込めない不安もあるため、身近で信頼関係がある
- 配偶者に手伝ってもらう
- 友達や知人に手伝ってもらう
- 同僚を引き抜いて手伝ってもらう(もしくは同立場で経営する)
ことからはじまり軌道に乗ってきたら人手が足りなくなって給料が安定して支払えることを見込んで求人募集をすることもあり、最初は知人の伝手をたどって
誰か一緒に働いてくれる良い職人さんがいないか?と尋ねることから始まります。しかし…良い職人さんはどこの木工所も手放さないのでなかなか紹介してもらえません。
そこで会社員を辞めたいといっている友達や知人に声をかけて一緒に仕事をしないか?と今ある仕事を離職してもらって雇うということもあります。もちろん、自信があるから誘うのですがそれが公開することになるケースもあります。
友達と仕事での上下関係になるリスク
また、繁忙期のみ、友達が休みの時に手伝ってもらったりする中で、親身に仕事してくれるし助かっているし、このままレギュラーで仕事して欲しいと思うこともあります。
しかしそれは友達を助けるため、という思いで短期間だからこそ無理してでも手伝ってくれるだけであり、従業員としての上下関係になってしまうと賃金や労働形態に対する不満、友達だからこそ意見が衝突して仲たがいしてしまうなど、トラブルが起きてしまうことを聞きますし、実際そうだろうなと自分も想像できます。
ではどのような人を基準に求人募集したらよいのか?働く側がどんな会社か不安ということは当然のように言われますが、知らない人を雇うのは不安というのは経営者でもありますよね。
ここからは個人的見解なのですが私は30代前半から独立していて従業員を雇用したことはありませんが、今になって思う採用基準というのができました。これは私が思うことであり、他社や他人が同じではないことをご了承ください。
家具職人見習い・経験者を募集するときの基準
昔は自分と同じ価値観の人で見習いから始めて仕事のやり方も同じようにできるようになってほしいと描いていました。
しかし都市を重ねるにつれ、自分が過去に仕事をしてきた社長や上司・先輩のことを考える中、自分が情熱を注いで仕事に向き合うことができたケースは尊敬の念を持っていたことが第一で、自分のことだけ考えていてはできなかった様々なことができるようになった今、歳を重ね自分の欠点も見え隠れする中で、お互いに足りない部分を補い、年齢関係なくお互いに尊敬の念を持つことができる関係がうまくいくと思いました。
足りない部分を補い合う。そう、一方的に助けてもらう、一方的に助ける関係性ではなく、することや得意なことは違うけど組み合わさればとても良い結果を生み出し、お互いにそのことをきちんと理解して感謝できる関係が良いなと。ありがとうといえる関係ですね。
個人事業主で私情や私用を従業員に押し付けない
- 給料渡してるんだからいうこと聞いて当たり前と仕事に関係ない雑用を押し付ける
- 嫁(夫)・お母さん的な役割をさせる
- 従業員の日々の縁の下の力持ちで役立っている地味な名もなき仕事に目を向けていない
などといった乱暴な雇用の仕方で、しかも自分の要求に応えてくれたことに対して感謝もない、身の回りのケアに対して気づいてすらないことが重なると意欲も技術も芽を摘んでしまいます。その場合、正しくは身の回りの世話役・雑用係・家政婦として募集をしないといけません。
とにかく人と長く一緒に働くというのは人間関係が近くなればなるほど嫌な面を出してしまう私にとってはとても難しい問題で、それでもこのような条件の人と仕事をしたいという具体的な像はあるので自分の器を磨きながらそんな日が来た時には尊敬と感謝の念をもって自分が苦手とすることのサポートをしてもらっているという認識を忘れないようにしたいと思います。