学校にいけない・働けない苦悩を不揃いの木を組むでサポート

目に見えない障害や病気を抱えた子供は学校に行きたくてもいけない、約束を守るつもりでも守ることができない、部活のスタメンで欠員してはいけないのに行くことができない、今日の体調が大丈夫でも明日の朝は自分がどんな状態かわからない、学校に行ってもいつ調子が悪くなるかわからない、

本人の意思とは相反して出来ないことが増えて周りの理解も得られず誤解を受けて期待されなくなり、いじめられてはいないけどもどことなく孤立して、自己嫌悪にも陥り精神的にもむしばんできます。なんとかしなきゃいけないと思っているのは本人が一番わかっているけどどうしても朝起きて授業を受けて夕方に帰ってきて、といわゆる一般的な普通の学校生活が送れず、

甘えている、怠けている、気合が足りない、やる気がない、変わっている、寝てばかりで楽している、自己中でわがままだ、協調性がない、親が甘やかすからだ。などといった言葉をかけられ抱えた病のことを理解されずにいつしか心を閉ざしてしまいます。

今はそういった事情を抱えた不登校の子供に対するサポートが増えてきて公立の小中学校でもネットでの授業があり、体調がよく起きれる時にカリキュラムをこなして出席日数に相当するプログラムがあったりと高校や大学に進学するまでに回復を目指すこともありますが、体調や病気が回復しても壊れた心の回復だけはできず、社会になじめず引きこもりになってしまうこともありますね。

私が学生の頃でも病気だけでなく、いじめや学習障害、家庭の事情、生活費の為、など様々な事情を抱え進学をせず技術職として学んだり住み込みの飲食店で就職する人もいました。そのころは全く気が付かなかったし今のように複雑な事情のすみわけができていなかったので一括りになっていたように思いますが

バイトをしようにも、就職しようとも体調や精神不安で長続きするかわからない、決まった時間にいけないのではないか?決まった時間内働き続けることができないのではないか?いつ倒れてしまうかわからない、迷惑をかける、怒られる…などといった社会に出ることの不安がどんどん募ります。頑張って踏み出してみるも一日で挫折してしまう。

今も昔もこういった事情を抱えた子に精神論や根性論を唱えてもプレッシャーになるだけで余計に苦しめてしまいます。まずは寄り添い、しなければいけないとされることから解放し、その個人に合った小さなことから成功体験を積み重ねていく、朝きちんと起きることができた、約束の時間に間に合った、朝から昼休憩まで仕事ができた、こういった少しのことを少しづつ経験して自信をつけて慣れていくことをサポートすることがまずは大事だと思います。

そうはいってもなかなか見守ることもできない側の気持ちも理解できます。ましてや他人で雇い主なら即戦力になる方がよいし、カウンセラーや看護師や医者ではないのだから無償でかつ給料を払ってまでわざわざ時間や精神を割くゆとりがなかったりします。同僚の場合不公平感を感じてしまうのも本音です。

しかし、私は木工はある程度のステップアップへの見守りは可能だと思っています。もちろん正社員でフルタイムでまっとうな給料を支払うということはできませんが、一日おきに半日手伝う、などといった柔軟なことは出来るし、軽作業であれば逆に助かることもあり、そこで本人も少しづつ自信がついてきて、できることも任されることも増え責任感も湧いてきてここでいわゆる根性論等で乗り切る術が生まれてくるのではないかと思います。

自分に何ができるかわからないうちは一歩踏み出すこと自体に勇気がいり、できないとわかると過去の記憶から自己嫌悪に陥りまた振出しに戻ってしまい、もう踏み出せなくなることもあります。初心では誰でもぶつかる壁ですが人によってはもう立ち直れないこともあります。

普通のルールとは?そのイメージした普通じゃないとダメ?朝出社してフルタイムで働いていることが正しい?人によってはそうではないと思います。短期間で壊れてしまうより、少しづつ長く適材適所で輝けて力を出せる場所はあり、そこからやりたいことを見つけることまで考えることができるステップアップできるチャンスを手にすることができると思うのです。人間力をゆっくり育成する、壊れた心を修復する力もあります。

小川三夫さんの不揃いの木を組む (文春文庫)を何年にもわたり何度も熟読していた影響かもしれません。

不揃いの木を組む

今、時折、低血圧や貧血、自律神経の不調を抱えている子に少し手伝ってもらうことをはじめ、体調を確認した上で出来ればお願いします、起きて体調が悪かったら断っても大丈夫だから。何時に必ずとかプレッシャーは強くかけないけど手伝ってもらえると助かるしうれしいからできれば待っていることを素直に伝えてこちらも必ずという約束に対して言い方は雑ですが期待しない(休むことを想定して仕事の予定を組んでおく)ようにしています。

家の中だけで起きていることから少人数でも他人と触れ脳と体を動かしてその時だけは仕事のことだけを考えると余計な雑念や不調を考える隙がなく、良い気分転換にもなる上にわずかですが自分で働き給料を受け取るという体験で気持ちの上での元気のサポートは出来ているのではないかと思います。有能なので戦力になり手伝ってもらえるとこちらもすごく助かっています。あとは体がどういう状態なのかが見えないので、言い出せずに我慢しているかもしれないことや過集中による易疲労などに注意しながら見極めも大事なのでなるべく声掛けしています。

大丈夫。大丈夫。あなたのおかげで助かっています。いつもありがとう。なるべく口に出して伝えてあげたいですね。