家具職人体験談1・修業から20年目にしてやりたい仕事となりたい理想と現実を考える

恥ずかしいもので私が家具職人になりたいと家具職人への道を模索し始めて修業ができるようになった日から20年も経過しました。とはいえ途中ネット販売などで現場を離れていたことも含め気が付けば20年…正直なことを言うと20年前に描いた自分が想像した未来の姿ではありません。

好きなことを仕事にできていいね

等といわれたり、一時私も好きなことが仕事にできて幸せだなあ、このまま目標に向けて進むぞー!と周りの目も気にせず張り切っていましたが、家具職人の仕事は好きなのは確かだし、仕事が精神的な救いでもあるのは確かですが、20年も経過してまだ理想は現実になっておらず情けない気にもなります。

家具職人という仕事につけても自分がなりたい姿の仕事内容ではないことも多くあったし、ただただ木工業界に身を置いてしがみつきながらも家具を作る・売る経験を積み重ねているだけのまだ自分のなりたい姿に向けて未来を描いているのが現実で、あきらめと引き際の悪いおばさん一直線です。

家具職人になりたいと修業をしてオーダー家具職人になるもなりたい姿の仕事ができていないというのは、別のたとえでいうと、

  • パティシェを目指したけどスイーツカフェの店員をしている
  • 画家を目指したけどWEBの挿絵イラストを描いている
  • 小説家を目指したけどライターをしている
  • 学校の先生を目指したけど塾の講師をしている
  • スノーボーダーを目指したけどスキーグッズの販売をしている

など、目指した仕事の業界に居るけども自分のやりたかったこととは少しずれているということです。もちろん現職が嫌とかやりたいないのではなく、自分の目の前の仕事は仕事で大切に向き合っているしやりがいも責任感もあるけども理想と現実が違うという自分の中だけの劣等感や自信のなさやジレンマを抱えている状況です。

ただ、自分の理想とは違っても求められる仕事をしてそれが天職であったり人に喜ばれる仕事だったりと理想とは違う自分でありながらもおかれた場所で花を咲かせ信頼を得たり途中で目的を変えたり着地点が違っていてもそれは間違いではないし批判することでもありません。要は自分の中の執着がどこで収まりがつくかというのは人それぞれ差があります。

5年目とか10年目、まだまだこれから自分の理想に近づくための過程だと思ってすべてのことに全力で吸収しようとしていましたし、応援してもらえることもありましたが、もう気が付けば20年経過しているのに10年前と変わらず、まだまだ過程だと思い込んでいる自分は人の目や意見を気にしなけば幸せだけども、はたから見たら引き際を見失っているだけなのかなと思ったり。

それでも人生は40歳からだと思っている自分の気持ちに勝てず、40歳を前にして介護生活でリセットになり数年失意から何とか起き上がって、未だなりたい自分の姿ではない現在でもまだ夢見て木工業界にしがみついてしまっています。

ですので、20年目といえどただ求められることに応えられるよう全力で仕事をして月日が流れているだけで、技術や経験の積み重ねはできていたとしても理想を現実にしていないことに視点を置くと自分の人生は胸を張れるようなことでもないとつくづく感じます。

まだまだこれから(笑)←結局しつこいおばさん。

家具職人体験談2・修業から20年目経過して座学の勉強が先か考えるに続く。